ロジスティクス・ネットワーク設計システム
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概要
本システムの第一の目標は,サプライ・チェイン全体を通したストラテジック(戦略的)な意思決定を包括的に支援することです.ストラテジックレベルの意思決定には,どこから原材料(もしくは部品)を調達するか,どの工場のどの生産ラインで生産するか,どの地点からどの地点にどのような輸送手段(モード)で輸送を行うか,どのような生産方式で生産を行うか,どこに工場もしくは倉庫を新設するか(もしくは移転するか,閉鎖するか)などがあります.これらの意思決定を,1年以上,数年から数十年のスパンで計画するるのが,ストラテジックレベルの意思決定です.
本システムの第二の目標は,サプライ・チェイン全体(もしくは一部)に対するタクティカル(戦術的)な意思決定を支援することです.タクティカルレベルの意思決定には,いつ,どこから原材料(もしくは部品)を調達するか,いつ,どの工場のどの生産ラインで,どれだけ生産するか,いつ,どの地点からどの地点にどのような輸送手段(モード)で輸送を行うか,短期的に賃貸が可能な施設をどのようなタイミングで利用するか,などがあります.これらの意思決定を,数ヶ月から数年のスパンで計画するのがタクティカルレベルの意思決定です.
モデル
一般に,サプライ・チェインは,モノ(原材料や部品や中間製品や最終製品)の供給地点から最終製品の需要地点までの流れを表します.ロジスティクス・ネットワーク設計モデルは,中・長期的な視点にたって,サプライ・チェイン全体におけるモノの流れを最適化するためのモデルです.
ロジスティクス・ネットワーク設計モデルは,以下の基本的な要素から構成されます.
点:点は,実際の工場や倉庫などの施設,空港や港などの中継地点,工程や在庫保管地点などの総称です.
枝: 枝は,点のペア(2つ組)です.以下で定義する品目が流れる可能性のある点の間にだけ枝を生成してください.点と枝をあわせたものは,しばしばグラフとよばれます.グラフにモノの流れを加味した概念は,しばしばネットワークとよばれます.ネットワークに対しては,古くから多くの研究がされており,ネットワーク理論という応用数学の一分野を築いています.
品目:ロジスティクス・ネットワーク内を流れる「モノ」を品目とよびます.ここで扱う品目は,製品になる前の部品,原材料,中間製品を含む広い概念です.異なる品目の数は,対象とする実際問題に依存して決まりますが,ストラテジックレベルの意思決定モデルを扱う場合には,通常,同じ特性をもつ品目の集まりを集約して扱います.品目の数が(多くとも)数十程度になるようにデータを集約してください.
資源: 工場内における機械や作業員,トラックや船などの輸送機器,原材料や予算などを総称して資源とよびます.資源には,枝ごとに独立に配置されている局所的資源と,サプライ・チェイン全体で共有される大域的資源の2種類の資源があります.局所的資源は,ある特定の枝上で使用される資源を表し,その資源を枝上で使用するか否かを決定します.大域的資源は,異なる場所でも使用することができる移動可能な資源や,予算などネットワーク全体で使用される資源を表し,全体で何単位の大域的資源が使用されるか,使用することに決めた大域的資源をどこに配置するかを同時に決定します.